2009年9月9日水曜日

豊かさとは何か


「豊かさとは何か」暉峻淑子さんが1989年に出版した本です。名前が難しいけど、「てるおかいつこ」と読みます。

20年前のバブル期に書かれた本ですが、いまだに新鮮に読める。ということは日本は基本的に変わっていないということだろう。

その後2003年に「豊かさの条件」を出版し、昨年、「豊かさへ、もうひとつの道」と、本当の豊かさについての3部作です。ヨーロッパでの生活や世界のNGOの経験に基づき、実にすばらしい提言をし続けている方です。

日本の現状、そしてたとえばドイツの状況を比較しながら、生活者の立場で書かれています。住宅の状況、学校や地域社会等、あまりの違いに愕然とします。何と素晴らしい社会だとつい言いたくなります。そしてそれを勝ち取って実現してきたのは市民の力です。自分たちの手で政治を変え、理想に近づけていったのです。

日本はこれから少しづつでも変えていかなければなりません。そのためには日本の状況を知るところから始まります。価値観が大きく変わる一冊です。

内容を詳しく書きたいけど書ききれないので、是非読んで頂きたいと思います。

プロフィール

埼玉大学名誉教授.1928年大阪府に生まれる.1963年法政大学大学院博士課程修了.専攻は生活経済学.政治,経済,教育,福祉などさまざまな問題について発言してきた.近年は,ユーゴスラビア難民を支援するNGOの活動に精力的に携わるとともに,憲法と教育基本法を守る活動に力を入れている.
著書に『ほんとうの豊かさとは』(岩波ブックレット),『豊かさとは何か』『豊かさの条件』(以上,岩波新書),『サンタクロースを探し求めて』(シリーズ〈グーテンベルクの森〉,岩波書店),『サンタクロースってほんとにいるの?』(福音館書店),『ゆとりの経済』(東洋経済新報社),『教科書検定』(アドバンテージサーバー),『教育基本法の「見直し」に反論する』(編著,かもがわ出版),『言葉と力』(共著,三省堂),『豊かさへの接近』『公共サービスと国民生活』(以上,産業統計研究社),『経済優先社会』(旬報社)など.