2009年8月12日水曜日

太陽光発電

建築家丸谷博男氏より一言

「太陽電池の事です。私が日頃思っている事です。
太陽電池が日進月歩で高性能化していますが、私にはどうしても解せない事があります。
それは。売電というシステムです。たしかに売電ができるようになってから太陽電池は普及しました。
しかし、地球にはちっとも優しくありません。
家庭で発電したものを電気会社に売る。そうすると太陽電池から直流の電源を交流に変えて電線を通して電力会社へ、使う時にはまた電線を通して各家庭へ。このプロセスでは、三度のシステムを通過しています。高効率で90パーセントの効率あっても結果は72.9パーセンチになってしまいます。20パーセントも変換する事でエネルギーを失ってしまうのです。地球に役立つ事は、太陽電池で発電した直流の電源をそのま家庭で使う事です。直流のモーターで換気扇をまわしたり洗濯機を動かす事なのです。
それが本当の省エネだともうのです。深夜電力利用もおかしいです。昼間も夜も電力消費に代わりはありません。ちっとも地球には優しくないのです。
少しあまのじゃくでしょうか。」

私が師と仰ぐ丸谷先生のメールから一部抜粋させていただきました。

正確には電線で送電する際のロスは距離に比例しますから、それを加えると実際は50%を切るでしょう。

以前少しここで書きましたが、断熱性能の低い建物での太陽光発電は、はっきり言って罪だと言っていいでしょう。

まず一つは、製造にかかわるコストとエネルギーです。まずはコストです。これは文字通り製造時にかかる人件費や土地、工場、輸送コスト等です。これらのコストを回収するまでに発電で補いながら0になるまでの時間を、コストペイバックタイムと言い、一概には言えないが一般的には10年~15年と言われている。

もう一つがエネルギーです。これは材料等、石油エネルギーがほとんどです。製造するまでにかかるエネルギーを回収するまでの時間を、エネルギーペイバックタイム(EPT)と言い、2年~5年くらいと言われています。

また罪とまで行ったのはもうひとつの懸念です。断熱性能の低い住宅では当然各部屋にエアコンをつけます。リビングに大きめのエアコンと後は各部屋に最低4台から5台です。夏の暑い日であればかなりの可動状況です。夏場は太陽光発電もどんどん発電するので、電気代はそこまで上がらないでしょう。しかしご近所さん特にお隣さんはどうでしょう。4台の室外機からの熱風はかなりの環境悪化になるのではないでしょうか。

省エネとは自分の家の電気代が安くなることでしょうか?

本当の省エネはエネルギーをなるべく使わない方向ではないでしょうか。

その上で、太陽光エネルギーを使うことが大切だと思う。太陽光発電自体は当然良いことだと思うが、住宅に使用する場合は、先に断熱性能を上げることが大切だと思う。